-6輪2足でどこまでもー 管理人 甲斐駒仙丈 
自由の命運 国家、社会、そして狭い回廊 上下
自由の命運 国家、社会、そして狭い回廊 上下

自由の命運 国家、社会、そして狭い回廊 上下

【作者】ダロン・アセモグル ジェイムズAロビンソン 

【発行日】2020年(原書は2019年)

【おすすめ度】★★☆ 面白かった。おすすめします。

【キーワード】足枷のリヴァイアサン/専横のリヴァイアサン/不在のリヴァイアサン/赤の女王

【NDC10版】313.2 国家の形態. 政治体制 国家の歴史:原始国家,古代国家,中世国家

表紙_自由の命運上

国家=リヴァイアサン

『自由の命運 国家、社会、そして狭い回廊』は、経済学者のダロン・アセモグルと政治学者のジェイムズA・ロビンソンによる共著である。

著者は、人々が『自由』と『繁栄』を得るには国家の統制が必要としている。そのうえで国家を伝説の怪物『リバイアサン』にたとえ、現代社会において『リヴァイアサン』が果たしている役割や自由と不平等の問題点などについて、歴史的実例を紹介しながら、考察している。

表紙_自由の命運下

不自由に見えるロシアや中国が台頭している現代、なぜ『自由』が国家の繁栄に必要なんですか。

その点については、著者の前作『国家はなぜ衰退するのか』に詳しく書かれています。社会的、技術的イノベーションが促進される、というところがポイントのようです。これについては別途投稿しようと思っています。

要約すると

『専横のリバイアサン』:国家の力が強くなりすぎている独裁国家、専制国家。

『不在のリバイアサン』:国家の力が弱く、無政府状態。

『足枷のリバイアサン』:国家の力と社会の力が拮抗している状態。

『足枷のリバイアサン』を理想の状態としたうえで、アメリカ、ヨーロッパ、南米、中東、中国など豊富な実例を上げ、そこに至る道のりが非常に難しいことを説く。少しだけ戦後GHQ統制下の日本も、軍部が強い『専横のリバイアサン』状態から『足枷のリバイアサン』へのルートに入った例として取り上げられている。

サブタイトルにある『回廊』って何ですか。

図1_自由の命運

縦軸を『国家の力』横軸を『社会の力』として、それぞれのリヴァイアサンがどこにいるかをグラフ化すると、自由が保障される『足枷のリヴァイアサン』の領域は、細い帯状になっている。著者は、その細い帯を『回廊』と名付けているんだ。維持するには『国家』も『社会』も力をつけ続ける必要があるんだ。

回廊の行きつく先ってなにがあるんですかね。

大きく広がっているのか? より狭くなっていくのか?

袋小路になっていないと良いですね。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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