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テスカトリポカ
テスカトリポカ

テスカトリポカ

【作者】佐藤究

【発行日】2021年

【おすすめ度】★★☆ 面白かった。おすすめします。

【キーワード】アステカ/臓器売買/麻薬/犯罪組織/児童虐待

【NDC10版】913.6 日本文学 小説.物語 近代:明治以後

表紙_テスカトリポカ

アステカ神話の死神『テスカトリポカ』

佐藤究氏の『テスカトリポカ』は、第165回直木賞を受賞したミステリー小説です。タイトルにある『テスカトリポカ』とは、アステカ神話に登場する死の神であり、物語は日本やメキシコを舞台に、アステカ神話、麻薬、犯罪組織を絡めて複数の視点で始まります。共通して悲惨な境遇で、特にメキシコの麻薬がらみの抗争に関しては、詳細で繊細な描写で真に迫ります。

この時点では、誰が主要人物で、どんな展開になるか、まったく読めなかったですね。

主要人物の数代前から話が始まりますものね。

臓器売買

主要人物の一人が、日本人の心臓外科医と知り合うことで、非人道的な犯罪ビジネス、心臓の臓器売買ビジネスがはじまります。物語はここから急展開します。

日本での拠点確保、ヤクザ組織との提携、兵隊の要請、そして原材料である身寄りのない子供の確保。計画が静かに、そして大がかりに進みます。

アステカ文明の生贄の儀式を、臓器売買に結び付けるなんて、著者の佐藤氏は、悪魔的な才能の持ち主ですね。

本書に書かれているアステカの神話やメキシコの麻薬事情、銃器や暴力の描写など、著者が綿密に下調べしたことがうかがえますね。

破綻は突然にやってきます。そして怒涛のラスト・・・。グロテスクな描写が苦手な人はちょっと敬遠するかもしれませんが、おすすめの一冊です。

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1件のコメント

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