【作者】清水潔
【発行日】2013年
【おすすめ度】★★☆ 面白かった。おすすめします。
【キーワード】冤罪/真犯人/足利事件/MCT1181/飯塚事件/ルパン
【NDC】368.64 社会病理 性犯罪.わいせつ
未解決の連続幼女誘拐殺人事件
「殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―」は、清水潔によるノンフィクション作品で、1979年から1990年代にかけて起きた、北関東連続幼女誘拐殺人事件を取り上げています。
清水氏は、北関東地方で発生した未解決の連続幼女誘拐殺人事件を題材にしています。彼は事件を取材し、事件の現場や被害者家族の証言などから、事件の背後にある暗部や被害者や事件関係者たちの人間ドラマを描き出しています。その中で、事件が隠蔽された原因や、捜査において問題があった点にも触れています。
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マヒマヒさんが紹介した『桶川ストーカー殺人事件』の関連リンクにあったので私も読みました。冤罪事件である『足利事件』については知っていましたが、その裏にこんな事件が隠れていたなんて、背筋が凍ります。
でも、清水氏の目的は冤罪の究明ではなく、あくまでも真犯人の追及です。
『ルパン』と呼ばれる男
取材過程で清水氏は通称『ルパン』と呼ばれる一人の男を見出します。清水氏の感触ではほぼクロ。直接取材や警察に対する情報もしますが、残念ながら本書終了時点で、進展はなく、その悔しさがあとがきにあらわれています。
疑惑のDNA鑑定
この本のもう一つのテーマとしてDNA鑑定の信頼性という観点があります。当時のDNA鑑定の危うさと、検察/科捜研の隠ぺい体質が浮き彫りにされます。
同じMCT1181というDNA鑑定で有罪、死刑となった『飯塚事件』まで言及されていますね。しかし鑑定写真の一部をカットして提出するなんて、あきれてものが言えないです。
最近読んだSTAP細胞についての本『あの日』を読んで知ったのですが、写真のカットなどは、科学の世界では捏造とされるんですよね。今のDNA鑑定の精度は、当時よりもあがっていると聞いていますが、こういった間違いを防ぐ方法はないんですか。
科学というか医薬品の治験では、『二重盲検法』というやり方が一般的です。新しい薬を試す際、患者だけでなく医師も新薬か偽薬かわからないようにしてテストして、捏造や思い込みを防いでいます。
つまり、鑑定人もどんな試料か知らされずに鑑定するということですね。いいかもしれませんね。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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