-6輪2足でどこまでもー 管理人 甲斐駒仙丈 
デジタル生存競争
デジタル生存競争

デジタル生存競争

【著者】ダグラス・ラシュコフ

【発行日】2023年

【おすすめ度】★★☆ 面白かった おすすめします  

【キーワード】マインドセット,利己的な世界,循環型社会

【NDC10版】007.3 : 情報学.情報科学

自分たちだけが逃れようとする彼らの行動

『デジタル生存競争』は、現代社会が抱える問題をテクノロジーという側面から深く掘り下げた衝撃的な一冊だ。

著者は、テクノロジーの発展が必ずしも人類全体にとって良い方向に進んでいるわけではないと警鐘を鳴らす。特に、富の集中と格差の拡大、環境問題、そしてデジタル技術による監視社会の到来といった問題に焦点を当て、その根底にあるのは一部の富裕層の「マインドセット」であると指摘する。

具体的には、富裕層が自らの利益のためにテクノロジーを利用し、社会全体をコントロールしようとする現状を厳しく批判している。例えば、気候変動などの危機的状況から自分たちだけが逃れようとする彼らの行動は、まるで自動車の排気ガスから逃れるために高速で車を運転しているようなものだと例えられている。

著者は、この問題を解決するために、コミュニティの再建や人間の相互扶助の重要性を強調している。確かに、テクノロジーに頼りすぎるのではなく、人間同士の繋がりを大切にすることが、より持続可能な社会を実現するための鍵なのかもしれない。







ムアムアさん、私も読みました。冒頭のエピソード、富裕層に招かれた話は、すごいインパクトでしたね。おかけで最後まで一気に読んでしまいました。

僕もそう。でも薬物乱用や小児性愛の話まで出してきて、ちょっと悪者にしすぎに思いましたけど。

私も読みました。欧米のITエリートのプレゼン(TED:Technology Entertainment Design)を、なんだか胡散臭いな、と感じていた私の思いを代弁してくれました。

こういった本は、解決策を示さないで批判ばっかりしていることが多いけど、本書は最後に著者としての意見を示していることは良いと思う。著者案には懐疑的だけど。

著者自身その難しさを『機関車に生身で立ち向かう』的な表現をしていますよね。まあ私的には「テクノロジーを利用しつつ、循環・共存を目指す」という総花的な結論に落ち着いちゃいますね。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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