【著者】橘玲
【発行日】2023年
【おすすめ度】★★☆ 面白かった おすすめします
【キーワード】キャンセルカルチャー,リベラル化,ソーシャルジャスティス
【NDC10版】304 : 社会科学–論文集.評論集.講演集
ユーディストピア
『世界はなぜ地獄になるのか』は、橘玲氏が現代社会の病巣を鋭くえぐり出し、そこから抜け出すための道筋を示唆した論考である。
著者はまず、現代社会が抱える様々な問題を列挙していく。リベラル化によって格差が拡大し、社会が複雑化して生きづらくなっていること。SNSにおける誹謗中傷が横行し、多くの人が傷ついていること。「自分らしさ」を履き違えた正義感の暴走によって、対立が深まっていること。
これらの問題を解決しようとする「社会正義」の運動も、必ずしも良い方向へ向かっているわけではない。むしろ、キャンセルカルチャーという形で異形化し、多くの人々を苦しめている。
このような状況を踏まえ、著者は現代社会を「ユーディストピア」と呼ぶ。これは、ユートピアとディストピアが融合した造語であり、一見理想的な社会に見えても、実は様々な矛盾や問題を抱えている社会を指す。
本書では、このようなユーディストピア社会を生き抜くためのヒントが示されている。
ムアムアさん、私も読みました。相変わらずの橘節ですね。読んでいると、人間の身勝手さや理不尽さが見えてきて、確かに地獄だな、と思えますね。
確かに地獄だね。著者はそのうえで、現代を生き抜くヒントも示しているので、それが救いかな。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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