-6輪2足でどこまでもー 管理人 甲斐駒仙丈 
黄色い家
黄色い家

黄色い家

【著者】川上未映子

【発行日】2023年

【おすすめ度】★☆☆ 面白かった

【キーワード】貧困,情報弱者,軽度知的障害

【NDC10版】913.6 : 日本文学–小説.物語

歪んでいく共同生活

『黄色い家』は、芥川賞を受賞した川上未映子さんが渾身の力で描いた、現代社会の闇を抉る問題作です。

2020年春、惣菜店で働く花は、ニュース記事で60歳になった黄美子が若い女性の監禁・傷害罪で逮捕されたことを知る。それは、20年前、花が黄美子と2人の少女たちと疑似家族のように暮らしていた日々を呼び覚ます。貧困の中で必死に生きる彼女たちだったが、金に翻弄され、次第に歪んだ共同生活へと追い込まれていく。そして、ある女性の死をきっかけに、全てが崩壊していく…

主人公・花が、社会の底辺で生き抜くために必死にもがく姿、葛藤する心、そしてそれでもなお残る希望の光… 繊細な筆致で彼女の心情が描かれています。また、作中では、現代社会の様々な問題も浮き彫りにされています。貧困格差、ジェンダー差別、社会保障制度の不備… どれも考えさせられるものばかりでした。

マヒマヒさん、私も読みました。冒頭を読んで、他人を支配する悪女の話かとおもったら、なかなか救いのない話でした・・・。

社会的な弱者があつまった共同生活。続かないとわかっていても、ハッピーエンドだったらいいな、と思いながら読み進めました。
でも、最後の最後ややっぱりハッピーエンドなのかも。

僕も読んだよ。生真面目な主人公が、仲間の無責任さにイラつくところなんか、すごく共感できる。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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