【作者】アンディ・ウィアー
【発行日】2021年
【おすすめ度】★★★ 大変面白かった。 絶対読むべきです。
【キーワード】アストロファージ/キセノナイト
【NDC10版】(NDC10版)933.7 英米文学 小説.物語 20世紀―
地球を救うためのミッションに挑む
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は、地球が太陽の異常によって氷河期に突入する中、謎の物質を調査するために宇宙へ飛び立った主人公が、地球を救うためのミッションに挑むというストーリー。
本作は、ウィアーの代表作である『火星の人』(映画『オデッセイ』の原作)と『アルテミス』に続く、宇宙を舞台にしたSF小説である。ウィアーのSF作品は、科学的なリアリティを追求しながらも、エンターテインメント性も兼ね備えていることで知られている。本作もまた、科学的な考証に基づいた緻密な設定と、スリリングな展開が魅力の作品である。
なになに
ムアムアさん、私も読みました。そのストーリー展開に引き込まれて一気に読み切ってしまいました。SFにありがちなワープやテレパシーのような超科学ではなく、現在の科学技術でも到達できそうな設定が、現実感と緊張感を増してくれました。
そうですよね。冒頭の重力の存在が、普通のSFなら重力制御技術で済ませてしまうよね。
ロッキーとの出会い
本書のもう一つの特徴は、主人公の成長物語であることである。主人公は、記憶喪失で自分の名前も思い出せない状態で宇宙船の中で目覚める。しかし、持ち前の知性と勇気で、徐々に謎の生物の正体と、地球を救うための方法を解き明かしていく。主人公の成長は、読者の共感を呼ぶと同時に、本作の大きな感動の源となっている。
また、本作は地球外生命との交流を描いた作品でもある。グレースは、異星人であるロッキーと出会い、協力して地球を救うために奔走する。ロッキーは、主人公と共に成長し、人間と異星人の友情を築いていく。地球外生命との交流というSFの定番テーマを、ウィアーらしい温かい視点で描いている。
地球滅亡の危機といえば『ディープインパクト』や『アルマゲドン』を思い浮かべますが、それほど「愛」や「感動」を押し付ける暑苦しさはない。だけど物語が進むにつれてだんだん使命感が出てきて、最後には・・・・感動です。
まさに「良い・良い・良い」ですね。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
にほんブログ村に参加しています。バナーをクリックしていただけると励みになります。