【作者】 小保方晴子
【発行日】 2016年
【おすすめ度】★☆☆ 面白かった。
【キーワード】研究不正/理化学研究所/早稲田大学/若山教授
【NDC】407 自然科学 研究法.指導法.科学教育
STAP細胞をめぐる騒動
「あの日」は、STAP細胞の発見をめぐる騒動が巻き起こった小保方晴子氏の著書です。(ドキュメンタリーといっていいのか私には判断できなかったので「著書」としました。)
小保方氏は、理系女子大生として物理学を専攻していたが、偶然出会った研究者の影響で生物学に興味を持ち、研究者としての道を歩むことになる。そんな中、自身が主導した研究でSTAP細胞という新たな細胞を発見したことから、彼女の人生は大きく変わっていく。
一躍有名となった小保方氏は、次々にマスコミの取材を受け、スポットライトを浴びることになる。しかし、その後研究成果に関する不正が指摘され、彼女の人生は暗転していく。
彼女は研究室から追い出され、大学も退職を迫られる。小保方氏は、STAP細胞の発見をめぐり、様々な研究論文に不正があったとして、研究グループの他のメンバーや関係機関から批判を浴びることになります。この事件によって、小保方は研究者としての信頼を失い、精神的な苦痛を抱えることになります。
MahiMahiさん、私も読みました。早稲田大学や理化学研究所とのやり取りは、小保方氏側からの情報しかありませんが、あきれた対応だと思いました。
博士論文の審査や再現試験の話のところですね。私は文系なので、そんなものなのかな、と驚きました。
私は理系なので、ある程度話は理解できました。でも人の手技に依存した再現試験って何なんだろう、とは思いました。分野が違うと、そういうものあるのだな、と。
一方、本書は小保方の立場から物語が描かれており、彼女自身の思考や感情が詳細に描写されています。小保方が自分自身や他人に対してどのように感じ、どのように対応していったのかが、細かく描かれています。
科学界のあり方やマスコミのあり方を考えさせられる
小保方氏が研究に没頭する様子や、その研究が表彰された際の感動や喜び、そして後に研究不正の疑いがかけられ、激しい非難や批判を受けたときの苦悩や心境が描かれている点が印象的でした。
「あの日」は、科学界や社会における問題点や倫理的な問題を考えさせる作品です。また、小保方が精神的に苦しんだ過去を知ることで、彼女に対する理解が深まるとともに、科学者としての苦悩やプレッシャーについて考えるきっかけとなるでしょう。
研究不正があったのか、あったのなら誰の責任か、については私には判断出来ないし、するつもりもない。しかしこの本を読むと『研究』って意外と個人的で、嫉妬、妬み、功名心、金銭欲、自己保身・・・などどろどろした旧態依然とした世界なんだな、と思い知りました。
私は、この本を音声で聞いたのですが、ナレーションが小保方氏本人だったので、非常にリアリティーを感じました。
同感です。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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