-6輪2足でどこまでもー 管理人 甲斐駒仙丈 
オードリー・タン 自由への手紙
オードリー・タン 自由への手紙

オードリー・タン 自由への手紙

【作者】オードリー・タン 

【発行日】2020年

【おすすめ度】★☆☆ 面白かった。

【キーワード】意志/格差/ジェンダー/デフォルト/仕事

【NDC10版】304 論文集. 評論集. 講演集

表紙_自由への手紙

レビュー

「マイノリティーの権利」という視点

「自由への手紙」は、著者オードリー・タンが自分自身の体験を通じて、女性の人権や性的マイノリティグループの権利について語られています。この本は、特に、Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender, Queer (LGBTQ) コミュニティの権利に対する提起をしています。LGBTQコミュニティが受ける差別や偏見に対する批判を行っており、これらの問題を公正な視点から指摘しています。また、本書は、すべてのひとが同じ権利を持っていることを主張しています。

「テクノロジー」という視点

 また本書では、自由という概念とテクノロジー、特にITやAIといった技術が、どのように関連しているかについても語られています。

 テクノロジーは、私たちの日常生活を大幅に変革し、多くの分野で便利な環境を提供しています。特に、情報技術の進歩は、自由な情報の交流を可能にし、個人の権利を拡大させました。このような状況を背景に、本書では、テクノロジーが自由を奨励するという意味で、テクノロジーの勝利を象徴すると言えます。

一方で、テクノロジーはまた、私たちのプライバシーや倫理的な問題を引き起こすこともあります。本書では、このような問題も提起することで、テクノロジーの問題点もしてきしています。

「コロナ対策」という視点

 現代のコロナ対策に関連する視点から読むこともできます。本書は、自由という概念に関して論じられていますが、現代の状況においては、公衆衛生上の問題や感染症の対策が自由とのバランスをとりなければならないということが顕著になっています。

 一方で、コロナ対策で必要な社会的な規制は、自由を制限することもあります。本書は、自由を尊重することと、公衆衛生上の問題を解決することのバランスをとることが大切であることを示しています。コロナ対策に関連する問題においても、自由という概念に関して深く論じられていることから、コロナ対策という視点から読むことで、より深い見方を得ることができるかもしれません。

こんな人におすすめ

  • 自由や政治哲学、倫理学に関心がある人
  • AIやIT技術、特にその使い方に関心がある人
  • 台湾のコロナ対策に関心がある人

オードリー・タンについて

 オードリー・タン(Audrey Tang)は、台湾の政治家・プログラマー・活動家であり、2021年現在、台湾政府のデジタル大臣を務めています。

 オードリー・タンは、1981年に台湾の高雄市で生まれました。幼い頃からプログラミングやコンピュータに興味を持ち、13歳でプログラマーとしてのキャリアをスタートしました。その後、オープンソースソフトウェアの開発やコミュニティ活動に参加し、台湾のIT業界で注目を集めました。

 2008年には、当時の台湾総統・陳水扁の特別補佐官に就任し、政治活動にも関わるようになりました。2014年には、台湾の反服貿(自由貿易協定)運動に参加し、IT技術を活用したデモの組織に貢献しました。この運動は、台湾の民主化や主権維持に対する国民の強い意志を示す出来事となりました。

 2016年、オードリー・タンは台湾政府のデジタル国務委員に任命され、その後、2018年には台湾国内初のLGBTQの法律制定にも貢献しました。2020年、彼女は台湾政府のデジタル大臣に就任し、デジタル技術を政策に活用する取り組みを進めています。オードリー・タンは、LGBTQの権利やオープンソースソフトウェアなど、社会的な課題に積極的に取り組む姿勢が高く評価されています。

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