【作者】吉川トリコ
【発行日】2018年
【おすすめ度】★★☆ 面白かった。おすすめします。
【キーワード】フランス革命/べルサイユ
【NDC】913.6 日本文学 小説.物語 近代:明治以後
マリーアントワネットがJK言葉で・・・
「マリーアントワネットの日記」は、フランス革命期のフランス王妃マリーアントワネットが自身の日常や思考を綴った、という体で吉川トリコ氏が小説化した作品です。王妃としての公式的な日記ではなく、普段の生活の中での感想や思いつきを綴ったプライベートなものです。その雰囲気を出すためでしょうか、現代の女子高生が使う言葉遣いで書かれています。
MahiMahiさん、私も読みました。序盤は、マリーアントワネットの心情を、作者の想像を交えて、「お、なるほどそうかもしない」と思わせてくれる内容になっていましたね。
マリーアントワネットの内面
本書は、マリーアントワネットが晩年を過ごしたテュイルリー宮殿にて、密かに日記を書き綴っていたことを描きます。彼女は、王妃としての公務や宮廷の儀式に加えて、子供たちや友人たちとの交流、家族との時間、そして政治的な動乱や混乱についても深く思いを巡らせていました。
吉川トリコ氏は、マリーアントワネットが抱えた孤独や苦悩、そしてそれを取り巻く人々との葛藤を丹念に描写し、彼女の内面世界に迫ります。また、当時のフランス社会や政治状況についても詳しく説明されており、歴史ファンにもおすすめの作品です。
私は、本書がマリーアントワネットの史実をもとに、フィクションとして再構築されている点が興味深かったです。また、マリーアントワネットが人間らしい感情や葛藤を持っていたことを改めて実感しました。吉川トリコ氏の描写は、フランス革命期のフランス社会や政治情勢についても非常に詳しく、当時の状況を理解する上で大変参考になりました。
後半、史実がしっかり記録されているからか、史実を淡々と説明している場面が増える。もう少し作者の想像を入れて、マリー・アントワネットのギャル言葉で心情を書いてほしかったと個人的に思いました。
吉川トリコ氏について
愛知淑徳短期大学文芸学科卒業。在学中は清水良典に学んだ。2004年(平成16年)、『ねむりひめ』で新潮社「女による女のためのR-18文学賞」の第3回大賞・読者賞を受賞。同年、短編集『しゃぼん』にて同社からデビュー。
2007年(平成19年)には、『グッモーエビアン!』を原作とした東海テレビの単発ドラマ『なごや寿ロックンロール〜「グッモーエビアン!」より〜』が放送された[1]ほか、『戦場のガールズライフ』がドラマ化されBSフジで全20話放送されている。また、2012年(平成24年)12月15日には『グッモーエビアン!』の映画化作品が全国にて公開された。
wikipediaより