【作者】 アダム・グラント 楠木健(監訳)
【発行日】 2014年
【おすすめ度】★★☆ 面白かった。おすすめします。
【キーワード】Giver/Matcher/Taker
【NDC】361.3社会関係.社会過程
人間関係の3つのタイプ
「GIVE & TAKE」は、ペンシルバニア大学の心理学者アダム・グラント博士による、人々の人間関係における「与えるタイプ」、「受け取るタイプ」、「両方のタイプ」の違いに着目した書籍である。
本書は、人々がどのように他者との関係を築き、成功や幸福を得ているかを、実証的に分析している。グラント博士は、人間関係における「与えるタイプ」が、結果的に成功や幸福をもたらすという仮説を立て、それをデータや実例を交えて裏付ける。また、「与えるタイプ」の特徴や行動、そして「与えるタイプ」がどのように他者との関係を築いているかを具体的に説明し、読者に自己評価や改善のヒントを提供している。
本書の最大の魅力は、グラント博士の緻密なデータ分析や実証研究に基づいた理論であり、その信憑性や説得力が非常に高い点であろう。また、人間関係やビジネスの場で役立つ具体的なアドバイスが多数盛り込まれており、実践的な価値が非常に高いといえる。
情けはひとのためならず
「情けは人のためならず」が真理であることを論理的、心理学的、経済学的に説明、証明している。ギバーが成功者として多いこと、ただし自己犠牲型のギバーはいちばんの負け組であるとのこと。勉強になります。
要点
- 本書は、成功を収めるために必要な人間関係の構築について説明する書籍である。
- 人間関係の構築には「受け手(Take)」と「与え手(Give)」の関係性があり、成功にはどちらが重要かが示されている。
- 著者は、自己中心的な人よりも、協力的で共感的な人の方がより成功する可能性が高いと主張している。
- 成功者の事例を交えて、与えることが成功につながることや、受け取ることにも利益があることが説明されている。
- 「Give & Take」のバランスを取る方法や、自分自身がどちらのタイプに該当するかを知る方法も解説されている。
- 本書は、科学的なデータや実証例を交えて、論理的に説明されている。
アダム・グラント博士について
アダム・グラントは、アメリカ合衆国の心理学者・著述家である。ペンシルベニア大学のウォートン・スクールで組織心理学とマネジメントを教えており、同大学のウィザード・オブ・オッズ(Wizard of Oz)という呼称を持つ傑出した教員の一人である。専門分野は組織心理学、モチベーション心理学、仕事とキャリアの心理学であり、特に、チームワーク、リーダーシップ、成功、創造性、楽しさの役割について研究している。
著書には、「Give and Take」、「Originals」、「Option B」などがある。グラントは、ノーベル経済学賞受賞者のダニエル・カーネマンと共同で研究を行っており、彼の研究は企業や政府機関に大きな影響を与えている。