【作者】成田祐輔
【発行日】2022年
【おすすめ度】★★☆ 面白かった。おすすめします。
【キーワード】民主主義/衆愚政治/AI/アルゴリズム
【NDC10】311.7 民主主義
民主主義の現状への問題提起
『22世紀の民主主義』は、成田悠輔氏による民主主義の現状についての問題提起と、未来への展望をまとめた書籍である。問題点をしてきし、それに対して、闘争案、逃走案、そして改革案(構想)を提示している。改革案(構想)については『無意識データ民主主義』なるデータサイエンスやAIの技術を駆使した方法が提示されている。
MuaMuaさん、私も読みました。闘争案、逃走案まではまあ現実的なよくある案ですが、構想はなかなかぶっ飛んでますね。
机上の空論であることは、著者もそれを認めていますね。ですが私は、なかなか興味深いと思いました。正確でバイアスのない民意を、現代の技術でくみ取れるかも、と思わせてくれました。
そうそう。その案が、現代の民主主義が抱えている問題の深刻さを、浮き彫りにしているようにも思いましたね。
要点
- 現代の民主主義は、多様化した社会や情報の過多などの課題に直面している。
- 政治的極端主義やポピュリズムが台頭する一方、市民参加型の政治運動やインターネットの普及により、民主主義は新しい展開を迎えている。
- 21世紀の民主主義は、リアルタイムでのコミュニケーションやデジタル技術による直接民主主義、市民のプラットフォーム化などによって進化している。
- また、将来の民主主義は、AIやブロックチェーン技術などを活用した参加型デジタル民主主義が中心になる可能性がある。
- 政治参加者にとって、市民的義務やリテラシーの向上が必要である。
- さらに、政治家やメディアにも課題がある。情報の正確性と公正性、市民参加の促進などが求められる。
- 民主主義の歴史的意義や目的を忘れずに、現代の課題に対して適応していくことが求められる。
著者の考え方や本書の構成を最初に示してから本論に入っていったので、私はすごい読みやすかったですね。
同感です。学者らしく論理的で、かつユーモアあふれる文体で、読者を飽きさせない本だと思いました。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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