歪んでいく共同生活
『黄色い家』は、芥川賞を受賞した川上未映子さんが渾身の力で描いた、現代社会の闇を抉る問題作です。
2020年春、惣菜店で働く花は、ニュース記事で60歳になった黄美子が若い女性の監禁・傷害罪で逮捕されたことを知る。それは、20年前、花が黄美子と2人の少女たちと疑似家族のように暮らしていた日々を呼び覚ます。貧困の中で必死に生きる彼女たちだったが、金に翻弄され、次第に歪んだ共同生活へと追い込まれていく。そして、ある女性の死をきっかけに、全てが崩壊していく…
主人公・花が、社会の底辺で生き抜くために必死にもがく姿、葛藤する心、そしてそれでもなお残る希望の光… 繊細な筆致で彼女の心情が描かれています。また、作中では、現代社会の様々な問題も浮き彫りにされています。貧困格差、ジェンダー差別、社会保障制度の不備… どれも考えさせられるものばかりでした。
マヒマヒさん、私も読みました。冒頭を読んで、他人を支配する悪女の話かとおもったら、なかなか救いのない話でした・・・。
社会的な弱者があつまった共同生活。続かないとわかっていても、ハッピーエンドだったらいいな、と思いながら読み進めました。
でも、最後の最後ややっぱりハッピーエンドなのかも。
僕も読んだよ。生真面目な主人公が、仲間の無責任さにイラつくところなんか、すごく共感できる。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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