【作者】ジャレド・ダイアモンド
【発行日】2012年
【おすすめ度】★★☆ 面白かった。おすすめします。
【キーワード】農耕/畜産/政治システム/疫病
【NDC】361.5 社会学 文化.文化社会学:文化変容,社会進歩,社会解体
なぜ西洋文明が発展したのか
『銃・病原菌・鉄』は、ジャレド・ダイアモンドによる、人類史を説明するための書籍である。著者は、なぜ西洋文明が発展し、他の文明が発展しなかったのかを、地理的、生物学的、環境的な観点から分析している。
著者は、地理的要因が文明の発展に影響を与えることを指摘している。例えば、熱帯地域は病原菌や寄生虫が多く、農業が難しいため、文明の発展が遅れたとされる。また、ユーラシア大陸は東西に長く、同じ気候帯に位置する地域が多いため、文明の交流が容易であり、技術や知識の伝播が促進されたとされる。逆にアメリカ大陸は南北に長い、としている。
ムアムアさん、私も読みました。前回のムアムアさんの投稿『国家はなぜ衰退するのか』と違い、地理的要因を地域格差の主な原因としているのですね。
この説で地域格差を説明するTVやYouTube解説動画が多いですよね。
そうした解説をするYouTube解説動画も、この本を引用していることが多いですね。
地理的要因以外にも
さらに、環境的な要因も文明の発展に影響を与えることを指摘している。例えば、乾燥地域では灌漑技術が重要であり、この技術が確立された文明が発展したとされる。
また、生物学的な要因も文明の発展に影響を与えることを指摘している。例えば、家畜を飼育することで、動物の力を利用して農業生産性を向上させることができ、文明の発展につながったとされる。家畜に適した動物はアメリカ大陸よりユーラシア大陸に分布しており、そのことが両大陸の発展の差の一因と指摘している。
このように、地理的、生物学的、環境的な要因が文明の発展に影響を与えたという著者の主張は興味深いものである。さらに、西洋文明が発展した理由についても詳しく分析されており、西洋文明が他の文明よりも科学技術の発展において優位に立った理由が説明されている。
乾燥地帯で生まれた一神教『ユダヤ教』『キリスト教』『イスラム教』の話や、家畜の種類の話は、どれも納得感がありますね。
初期条件により結果が大きく変わる、というのは自然界ではよくある現象ですから。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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