【作者】和田純夫
【発行日】2022年
【おすすめ度】★☆☆ 面白かった。
【キーワード】多世界解釈/コペンハーゲン解釈/波動方程式/行列表記/経路積分
【NDC10版】421.3 理論物理学 量子力学. 量子論
複数の現象が同時に存在する多世界の一つ
『量子力学の多世界解釈 なぜあなたは無数に存在するのか』は、量子力学における「多世界解釈」について、一般向けにわかりやすく解説した書籍である。
量子力学は、私たちの日常生活で直観的に理解できるような法則とは大きく異なり、多くの謎や矛盾を抱えている。その中でも、最も根本的な問題の1つが「波の収縮」である。波の収縮とは、観測によって量子的な状態が確定する現象であり、この現象は、私たちの直感に反する。
多世界解釈は、この波の収縮を否定し、観測される現象は、複数の現象が同時に存在する多世界の一つであるという考えである。例えば、コインを投げて裏が出たとすると、多世界解釈では、裏が出た世界と表が出た世界が、同時に存在することになる。
本書では、多世界解釈の歴史や、その理論的根拠を、数式を使わずにわかりやすく解説している。また、多世界解釈のメリットやデメリット、そして、現時点での科学的評価についても、考察されている。
ムアムアさん、私も読みました。学生のころ、量子力学で躓きましたが、その理由の一つが、どう解釈するのか納得感がなかったことです。機械的に計算すれば結果が出る、というのはわかりますが、それではあまりにも・・・・、と思ったことを思い出しました。
伝統的なコペンハーゲン解釈(観測すると確率の波が粒子に収束する)とは異なる解釈です。コペンハーゲン解釈との違いも解説してくれるので、なんとなくわかったような気になります。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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