遺伝子とは何か 生命とはなにか
2003年にヒトゲノム解読が完了してから20年近くが経過し、遺伝子研究は新たな段階を迎えている。本書は、最新の研究成果を踏まえながら、「遺伝子とは何か 生命とはなにか」という問いに対する包括的な回答を試みている。
本書ではまず、ヒポクラテスやメンデルといった古典的な研究者から、近年活躍する研究者まで、遺伝子研究の歴史を丁寧に解説している。特に、20世紀後半以降の分子生物学の発展と、ヒトゲノムプロジェクトの進展については、詳細な説明がなされている。
遺伝学の歴史的背景の解説の後、遺伝子の基本的な働き(セントラルドグマ)について、解説し、遺伝子が単なるDNAの塩基配列ではないことを明らかにする。遺伝子は、RNAやタンパク質と複雑に相互作用し、様々な生物現象に関与している。
そして最後に、近年注目されているエピジェネティクスや遺伝子治療、ゲノム編集技術など最新の技術について解説し、遺伝子や生命についての根本的な解釈が、近年の研究の進展で大きく変わってきていることを示している
ムアムアさん、私も読みました。生物研究の歴史から、教科書的な遺伝子の働き、最後に最新の遺伝子研究を解説する、というなかなか野心的な本ですね。
こういった分野初心者の人も、昔、分子生物学をかじったことがある人にも、おすすめ。教科書で習った以上に遺伝子の、生命の不思議さに触れられると思う。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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