【作者】中野剛志
【発行日】2022年
【おすすめ度】★★☆ 面白かった。おすすめします。
【キーワード】効率性の追求/インクリメンタリズム/新自由主義/意見を支配する力
【NDC10版】300 社会科学
現代の社会問題を理解するためのツール
『奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵』は、現代の社会問題を社会科学の名著に照らし合わせて解説した書籍である。下記の社会科学の名著をとりあげ、各著作が現代の社会問題にどのように関わっているかを、具体的な事例とともに示している。またそれぞれの著作の要旨をわかりやすく解説している。
●マックス・ウェーバー「官僚制的支配の本質、諸前提および展開」
●エドマンド・バーク『フランス革命の省察』
●アレクシス・ド・トクヴィル『アメリカの民主政治』
●カール・ポランニー『大転換』
●エミール・デュルケーム『自殺論』
●E・H・カー『危機の二十年』
●ニコロ・マキアヴェッリ『ディスコルシ』
●J・M・ケインズ『雇用・利子および貨幣の一般理論』
本書の魅力は、社会科学の知見を、現代の社会問題を理解するためのツールとして提示している点である。社会科学は、抽象的で難解なイメージを持たれがちであるが、本書では、社会科学の知見を、誰もが理解しやすい形で伝えており、その知見を活用することで、現代の社会問題を解決に導くことができる可能性を示している
ムアムアさん、私も読みました。著者は、過去の社会科学の著者たちが、現代社会の問題を、すでに警告していたことを示唆していますね。社会科学はあまり詳しくないんですが、本当にそうなら、名著を読んでみたくなりました。
僕が面白いと思ったのは、「効率化の追求」や「構造改革」、「新自由主義」や「自由貿易」など、現代社会では良いと考えられていた思想や主義についての考察かな。
本書では、それらの弊害について、名著の内容を引用しながら解説されている。僕も社会科学は詳しくないけど、説得力のある考察だよね。
人間って、あんまり進歩していないんですね。
科学技術の発達と比べると、どうしてもそう思えるよね。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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