【作者】 ジョージ・オーウェル 楠木健(監訳)
【発行日】 2017年(1945年)
【おすすめ度】★★☆ 面白かった。おすすめします。
【キーワード】スターリン/四本足はいい。二本足はだめ/イギリスのけだものたち
【NDC】361.3社会関係.社会過程
人間から独立して農場を
「動物農場」は、ジョージ・オーウェルが1945年に発表した寓話小説で、ロシア革命を風刺している作品です。以下、簡単なあらすじです。
農場の動物たちは、人間に虐げられる生活に嫌気が差し、老練な豚のメジャーが、人間から独立して自分たちで農場を経営することを提案します。そして、彼らは農場を「動物農場」と改名し、自分たちの労働によって成果をあげるようになります。
最初は、動物たちは自分たちで決定を下し、平等に分配することに成功します。しかし、やがて豚たちが支配層になり、自分たちに特権を与えるようになります。動物たちは、自分たちが過酷な労働をこなしているにもかかわらず、豚たちが彼らよりも特権を持っていることに不満を感じます。
最終的に、豚たちは統治の権限を独占し、動物たちは虐げられる立場に追いやられます。物語の結末では、動物たちは自分たちが目指した平等な社会を手に入れることはできず、自分たちが受けた不当な扱いに耐えるしかありません。
やがて・・・・
人間社会の暗喩
「動物農場」は、とても深い意味を持つ小説だと感じました。物語の舞台は農場であり、動物たちが主人公として描かれていますが、それは人間社会の暗喩であることが明らかになります。
MahiMahiさん、私も読みました。実際の人物や出来事を動物を使っている表現しているようですが、暗喩というか、結構直接的ですよね。
オーウェルの描写は非常に生々しく、リアルであると感じました。
物語を読み進めるにつれ、動物たちが自由や平等を求め、新しい社会を築こうとする姿勢が描かれます。しかし、彼らが自分たちで築いた社会でも、徐々に支配階級と被支配階級に分かれ、支配階級が権力を握り、支配される側は苦しむことになります。
この小説は、人間社会に対する風刺や批判が込められており、とても深い哲学的なメッセージを持っています。それだけに、読み終わった後に深く考えさせられ、自分自身の価値観や社会に対する見方を再考するきっかけになりました。
書かれたのは、第二次世界大戦集結直後、冷戦前。イギリスの文化人の中では、ソ連社会主義は評価されていたそうです。それに対するアンチテーゼだったようですね。
そのあたりの事情は、訳者あとがきに書かれていましたね。あとがきを読むことで、著者のメッセージをより深く感じました。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
にほんブログ村に参加しています。バナーをクリックしていただけると励みになります。
関連リンク
Kindle