【作者】阿刀田高
【発行日】1978年
【おすすめ度】★☆☆ 面白かった。です。
【キーワード】昭和時代/短編集/エログロ/ブラックユーモア
【NDC】913.6 小説．物語 近代：明治以後
18の短編集
阿刀田高著の短編集「冷蔵庫より愛をこめて」は、愛や家族、孤独、人生の意味などをテーマにした18の短編が収められた作品集です。
ずいぶん古い本を読みましたね。
星座に興味があったので、おすすめの本を聞いたところ『ギリシア神話を知っていますか？（阿刀田高著）』を薦められたので、それが縁で本書を手に取りました。
『冷蔵庫より愛をこめて』 妻の浮気を疑う男が、ある男から新たな商売を始めることをもちかけらます。
『趣味を持つ女』 見知らぬ人の葬式に出る、という趣味を持つ女の話。
『仮装パーティ』 クラブで死んだ妻に似た顔をしたホステスと知り合ったことで、気の進まないパーティの対策を思いつきます。
『海藻』 沈没船から命からがら生き延びた男が最後に真実を知って・・・・。
『あやかしの樹』 人を養分に育つ不思議な樹と理想の女を求める男。
『幸福通信』 業績不振の会社に勤めるサラリーマンが、不思議な電話を受けることで、幸運をつかむことになるが・・・・。
『知らない旅』 不倫旅行の地で妻の分身？に悩まされます。
『わたし食べる人』 画期的なダイエットの特効薬。その効果は・・・・。
『夜の真珠貝』 夫婦で入ったバーで持ち掛けられた不思議な真珠の話。
『エネルギーの法則』 ハイキングの帰り道、牧場に寄ることになるが・・・・。
『愛を忘れない鸚鵡』 ひと夏の恋が忘れられない男が、女との思い出をかたる鸚鵡を見つけます。
『真実は強し』 娘が誤認逮捕されたクラブ経営者の女性が、娘の無実を証明するため刑事たちと対面します。
『ギャンブル狂夫人』 あるきっかけで、たばこ好きな夫人と賭け事をすることになるが・・・・。
『心の旅路』 横浜の地で、男は不思議な懐かしさを覚えた。過去に中華料理屋で豆腐料理を食べたことしかなかったはずなのに？
『ホーム・スイート・ホーム』 昔の恋人が死んだことを伝えられた男の話。
『幽霊面談術』 メビウスの輪をめぐる不思議な話。
『最後の配達人』 月収50万の仕事とは？
『恐怖の研究』 数冊の恐怖小説を借りた男の話。
いまではバッシングを受けるであろう男女差別的な発言や、エロさグロさてんこ盛りの展開など、昭和の匂いが漂う短編集ですね。でもきれいにオチていると思います。単なるダジャレじゃなく、知的なオチというか。
最初は戸惑いましたが、楽しめました。同年代の本も読んでみたくなりました。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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