【作者】角田光代
【発行日】2007年
【おすすめ度】★★☆ 面白かった。おすすめします。
【キーワード】幼児誘拐/小豆島/不倫/日野OL不倫放火殺人事件
【NDC】913.6 日本文学 小説.物語 近代:明治以後
『優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした。』
『八日目の蟬』は、希和子という女性が不倫相手の子供を誘拐し、その後の逃亡劇と、事件から数年後に大人になった子供・恵理菜の葛藤を描いた作品です。本作は「母性」というテーマに焦点を当て、全2章(プロローグを含めると全3章)から成り立っています。
物語は、第1章で希和子が子供を誘拐し、その後の逃亡生活が描かれます。彼女の行動の背後には、愛情や家族の絆に関する葛藤が存在し、読者は彼女の心の闇と向き合うことになります。希和子の逃亡劇はサスペンス調の要素を持ちながらも、日常的な要素である出生や愛情、家族といったテーマを独自の切り口で描き出しています。
第2章では、事件から数年後、成長した恵理菜の心の葛藤が描かれます。彼女は自分が誘拐されたことや本当の母親が誰なのかという疑問を抱えながら、自分自身と向き合っていきます。この章では、母性の意味や家族の絆、自己のアイデンティティといったテーマが深く追求されます。
読んではいませんが、映画は見ました。感動しましたね。舞台となった小豆島にも何度か行きました。棚田と蛍がきれいでしたね。
本章のタイトルは映画版のキャッチコピーです。
映画とちがって、希和子のパートと恵里菜(薫)のパートが分かれています。映画の場合、混在していて、最初混乱するのですが、原作の方はその点で分かりやすく入り込みやすいですね。
映画版だと大きくなった薫(恵里菜)と希和子の接触がなくて、せめて一目でも、と思ったけど、原作ではどうなの?
ちょっとだけすれ違いますよ。どこでかは、読んでのお楽しみ。映画との違いといえば、もう一人の重要人物、安藤千草が恵里菜(薫)との因縁を明かすシーンが若干違います。私は映画版が好きですね。
このまま三人で座談会に・・・・
千草役のは小池英子でしたね。名演技で見直しました。
希和子役の永作博子もさすがですね。あの切なそうな笑顔がたまらん
恵里菜(薫)役の井上真央もかわいかったと思いますよ。
この作品は、実際の事件『日野OL不倫放火殺人事件』をヒントに執筆されたそうですよ。ただしこちらは幼児は殺されてしまいましたが。
誘拐した希和子は、恵里菜(薫)をわが子のようにかわいがっていますけど、やっぱり自分勝手ですよね。
同情の余地はあるけど、やっぱり周りを不幸にしましたよね。
でも不倫相手の秋山丈博はクズだと思うけど。
薫(恵里菜)の不倫相手の岸田もクズだね。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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