経営トップの保身と利権争い
『保身 積水ハウス、クーデターの深層』は、2018年に起きた積水ハウスの地面師事件をめぐる、当時の社長・副社長によるクーデターの内幕を描いたノンフィクションである。
著者は、積水ハウスの社内取材や関係者への聞き取りなどを通じて、事件の真相に迫る。その結果、地面師事件は、単なる不正行為ではなく、経営トップの保身と利権争いが引き起こした「企業倫理の崩壊」であると指摘している
本書は、事件の詳細な経緯を描くだけでなく、企業経営におけるコーポレートガバナンスの重要性や、日本の社会における「保身」の風潮についても鋭く指摘している。
マヒマヒさん、積水ハウスの巨額地面師事件は、ニュースで知っていたのですが、その裏で社内の派閥争いが起きていたことは知りませんでした。
私も本書を読んで初めて知りました。池井戸潤の企業小説ばりの社内抗争が展開されています。実際の数十億円の詐欺事件も絡んでいますので、臨場感があります。
また詐欺事件のルポとしても秀逸で、国際的なマネーロンダリングの可能性まで指摘しているところがすごいです。
本書が、元会長の和田氏側に好意的なので、真実はわからないけど、これを読む限り「やる気のある(出世欲が強い)無能」ってたち悪いな、って思ってしまった。
言い過ぎですけど、本書の要旨ってそうですよね。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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