国際金融の裏側をリアルに描写
『マネーロンダリング』は、香港で暮らす元ウォール街のファンドマネージャー・工藤が、脱税目的の香港口座開設などをしながら、もぐりのコンサルタント業をしているという設定の金融サスペンス小説です。工藤は、麗子という美女から「五億円を日本から海外に送金し、損金として処理してほしい」という依頼を受けます。この依頼をきっかけに、工藤はマネーロンダリングに巻き込まれていきます。
本書の最大の特徴は、マネーロンダリングの具体的な手法や、その背景にある国際金融の構造を、リアルに描写している点にあります。香港の口座開設や、偽装取引、迂回送金など、実在するマネーロンダリングの手法が、具体的に紹介されています。また、マネーロンダリングが、国際金融の裏側でどのように行われているのか、その構造についても、リアルに解説されています。
橘玲氏の著作はMuaMuaさんがよく投稿していましたが、マヒマヒさんが投稿するなんて珍しいですね。
私もちょっと読んでみたくってこの本を手に取りました。ノンフィクションではなく、私の好きな金融関係のサスペンス小説だったので。
橘玲氏は、『言ってはいけない』や『無理ゲー社会』など世間的にタブーとされている内容に、鋭く切り込むノンフィクションが多いけど、小説も書いたんだね。
本書はサスペンス小説ですが、ノンフィクションといっていいほど、国際金融の裏舞台が書き込まれています。橘氏らしい面が随所に見られますよ。
バブル崩壊直後からアメリカの同時多発テロくらいの社会情勢を反映しているので、仙丈さんは懐かしいのでは?
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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